アルコールチェックの義務化の記録と保管管理の方法まとめ。罰則についても解説

飲酒運転の防止は、法令遵守だけでなく、安全な道路交通を実現するために不可欠な取り組みです。

2022年4月から施行されたアルコールチェック義務化により、事業者は運転者の酒気帯びの有無を記録管理することが求められています。

 

本記事では、アルコールチェックの記録要素、対面での確認方法、罰則、そして、直行直帰や遠方勤務といった特殊な状況への対応策について解説します。

さらに、安全運転管理者の負担軽減策も紹介し、アルコールチェック義務化への円滑な対応を支援します。

 

<この記事のポイント>

  • 検知器を用いたアルコールチェックは既に義務化
  • 記録は1年間保管する必要がある
  • 対面での確認が原則ですが、直行直帰等では対面に準じた方法も可能
  • 記録漏れや保管をしていないと、運転者だけでなく安全運転管理者も責任を問われます。
  • 安全運転管理者の負担を軽減するサービスの導入がおすすめ

 

アルコールチェックで記録が必要な事項

アルコールチェックを実施するだけでは義務化に対応できません。

法令上求められているのは、検査結果を記録し、1年間保管することです。記録簿には、以下の内容を漏れなく記載しましょう。

1) 確認者名
2) 運転者名
3) 業務に使用した自動車登録番号
4) 検知器使用の有無
5) 酒気帯びの有無
6) 確認日時
7) 確認の方法(対面かどうかなど)
8) 指示事項など
 

記録方法は、紙とデータのどちらでも構いません。2023年12月1日施行予定の改正では、検知器を使用しての酒気帯び確認と、検知器の常時有効保持が義務化されています。

 

アルコールチェックの対面での確認方法

対面での確認

記録管理に加え、運転者が酒気帯びしていないことを原則対面で確認する必要があります。

対面での確認のタイミング

運転前と運転後に行います。必ずしも運転直前・直後ではなく、運転を含む業務開始前や出勤時、退勤時でも構いません。

 

目視等で確認する項目

原則として、運転者の顔色や呼気の臭い、応答の声の調子等を安全運転管理者が対面で確認しなければいけません。

 

罰則等について

すでにアルコールチェックのための検知器の使用は義務化されています。

記録管理もすでに義務化されているため、まだ実施していない方は早急に行い、すでに実施している方は記録内容の見直しを行って、抜け漏れがないか確認しましょう。

アルコールチェックを怠り、事故が発生した場合、運転者だけでなく安全運転管理者も業務違反となる可能性があります。

さらに、安全運転管理者の解任や命令違反に対する罰則が科せられること、また企業の社会的責任が問われる可能性もあります。

 

直行直帰にはどう対応すればいいの?

直行直帰への対応

取引先への直行や、事業所を経由せずに帰宅する直行直帰の場合の対応方法について解説します。

原則として、アルコールチェックは安全運転管理者等による対面で、顔色・声色等を確認する必要があります。しかし、直行直帰や遠方勤務の場合は対面確認が困難です。

このような場合は、対面に準じた方法で酒気帯び確認を行うことが許可されています。

  • カメラ・モニター等でリアルタイムに顔色・声色を確認し、検知器で測定結果を確認する方法
  • 携帯電話等でリアルタイムに声色を確認し、検知器で測定結果を報告させる方法

いずれの方法でも、リアルタイムでの確認が必要です。対面と同様に、待機時間の発生などにより安全運転管理者の負担が大きくなります。

※メールやFAX等での非対面方法は、対面に準じた方法には該当しませんので注意が必要です。

 

安全運転管理者の負担を減らすには?

安全運転管理者が1人の場合、早朝深夜や直行直帰の対応で負担が大きくなります。

安全運転管理者制度では、安全運転管理者の不在時等、対面確認が困難な場合は、副安全運転管理者または安全運転管理者の業務を補助するものによる酒気帯び確認を認めています。

つまり、安全運転管理者だけでなく、他の従業員と協力しながらアルコールチェックに対応することが負担軽減に繋がります。

また、近年では、アルコールチェックアプリや安全運転管理者の業務を代行するコールセンターサービスなども活用できます。直行直帰だけでなく、早朝や深夜帯のアルコールチェックも、安全運転管理者による確認が困難となる可能性があります。

会社側は、安全運転管理者の記録管理業務の効率化を図る必要があります。

 

まとめ

アルコールチェックと記録管理は、企業の社会的責任です。

法令を遵守し、安全運転管理者の負担軽減策も活用しながら、適切な対応を徹底しましょう。

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