【2023最新情報】安全運転管理者とは?業務内容から罰則まで詳しく説明

安全運転管理者とは?

安全運転管理者制度とは、一定台数以上の自家用自動車を使用する企業や事業所において、自動車の安全な運転に必要な業務を行わせる者を選任させ、道路交通法令の遵守や交通事故の防止を図ることを目的としています。

安全運転管理者とは?

安全運転管理者とは、企業や事業所における自動車の安全運転を確保する責任者である事業主の代わりとして業務を遂行する人のことを言います。具体的な業務としては、「酒気帯びの確認」「安全運転の指導や教育」が挙げられます。

安全運転管理者の選任義務

安全運転管理者の選任義務

以下に該当する企業、事業所は、道路交通法により「安全運連管理者、副安全運転管理者」を選任し都道府県安員会に届け出なければいけません。

安全運転管理者等の選任基準

安全運転管理者
乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している企業や事業所
その他の自動車を5台以上使用している企業や事業所
※自動二輪車1台は0.5台で計算
副安全運転管理者
20台以上の自動車を使用している企業や事務所
※20台以上40台未満に1人選任が義務

安全運転管理者等の資格要件

安全運転管理者、副安全運転管理者の選任は、下記の要件を満たさなければなりません。
■安全運転管理者
・年齢20歳(副安全運転管理者を置く企業、事業所にあっては30歳)以上で、次のいずれかに該当する方
・運転管理実務経験2年以上
・公安委員会の認定を受けている
(専務・部長・課長等で、事業所等の従業員を指導、車両等を管理できる地位の方が望ましい。)
■副安全運転管理者
・年齢20歳以上
・運転管理実務経験1年以上
・運転経験3年以上
・公安委員会の認定を受けている
(係長又は係長相当職以上で、事業所等の従業員を指導、車両等を管理できる地位の方が望ましい。)
■安全運転管理者に選任できない人
上記資格要件を満たしていても、次に該当する方は安全運転管理者等にはなれません。
公安委員会の解任命令により解任された日から2年を経過していない者
次のいずれかの違反をした日から2年を経過していない者
・交通事故の場合の救護措置義務違反(いわゆるひき逃げ)
・酒酔い・酒気帯び運転又は、その下命容認行為
・妨害運転(いわゆるあおり運転)
・飲酒運転にかかわった車両・酒類の提供
・飲酒運転の車両への同乗
・過労運転(麻薬等運転を除く)の下命容認行為
・放置駐車違反の下命容認行為
・積載制限違反の下命容認行為
・無免許運転違反の下命容認行為
・大型自動車等の無資格運転の下命容認行為
・最高速度違反の下命容認行為
・自動車の使用制限命令違反


出典:「認定申請について」(警視庁)

安全運転管理者の届出

自動車の使用者は、安全運転管理者又は副安全運転管理者(以下「安全運転管理者等」と言います。)を選任したときは、選任の日から15日以内に必要な事項を自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届け出なければなりません。また、安全運転管理者等を解任したときも同様です。

届出事項に変更が生じたときにも、その日から15日以内に公安委員会へ届け出なければなりません。
※道路交通法第74条の3第5項、神奈川県道路交通法施行細則第12条第3項から引用

安全運転管理者の業務内容

安全運転管理者の業務内容

安全運転管理者は、自動車の安全な運転を確保するために、企業や事業所等の業務に従事している運転者に対する安全教育や、自動車の安全な運転に必要な業務を行わなければなりません。

安全運転管理者の業務内容
・運転者の状況把握
運転者の適性、技能、知識及び法令等の遵守状況を把握するための措置を講ずる。
・運行計画の作成
最高速度、過積載運転、過労運転及び放置駐車違反行為の防止など安全運転の確保に留意して、自動車の運行計画を作成する。
・交替要員の配置
運転者が長距離運転、夜間運転に従事する場合、疲労等により安全な運転ができなくなるおそれのあるときは、あらかじめ、交替するための運転者を配置する。
・異常気象時等の安全確保の措置
異常な気象、天災などで、安全な運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、運転者に必要な指示や安全な運転の確保を図るための措置を講ずる。
・安全運転の指示
運転者に対して点呼を行い、自動車の点検の実施の有無や飲酒、過労、病気等の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与える。
・酒気帯びの有無の確認
運転前後の運転者に対して、運転者の状態を目視等で確認することで、酒気帯びの有無を確認する。
※令和4年12月1日からは、運転前後の運転者に対して、運転者の状態を目視等で確認するほか、国家公安委員会で定めるアルコール検知器を用いて確認する。
・記録の保存
酒気帯びの確認の内容を記録し、その記録を1年間保存する。
※令和4年12月1日からは、記録を1年間保存することに加えて、アルコール検知器を常時有効に保持する。
・運転日誌の記録
運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離など、運転日誌を備え付け、運転者に記録させる。
・運転者に対する指導
運転者に対し、自動車の運転に関する技能、知識など、安全な運転を確保するため必要な事項を指導する。

出典:「安全運転管理者等法定講習」(警視庁)

安全運転管理者の罰則

安全運転管理者を選任しなかった、届け出の提出を怠ってしまった、といった場合、罰則が設けられています。

・50万以下の罰金
全運転管理者および副安全運転管理者を選任しなかった場合
安全運転管理者の解任、安全運転確保のための是正措置命令について従わなかった場合

・5万以下の罰金
選任・解任の届出を選任から15日以内に提出しなかった場合

まとめ

この記事では、「安全運転管理者制度」についての重要な情報を詳細に解説しました。
特に自動車を5台以上使用している事業所では、安全運転管理者の選任が義務付けられており注意が必要です。選任の義務を果たさない場合や、届出の提出を怠ると、法的な罰則が設けられており、50万円以下の罰金が科される場合があります。さらに重要なことは、これらの違反がSNSなどで広く知られると、企業の評判が悪化し、顧客や従業員を失うという事態を引き起こす可能性があるということです。
したがって、安全運転管理者の選任は、法令遵守だけでなく、企業の社会的信用とビジネスの継続性を保つためにも重要な責任です。適切な手続きと対応が求められます。