価格で選ぶ? サービスで選ぶ? アルコールチェック代行サービス比較6選


一定の車両を保有する事業者では、飲酒運転の撲滅を目的に安全運転管理者による、運転者のアルコールチェックが定められています。2023年12月からは規制がさらに強化され、目視等での確認だけでなくアルコール検知器を用いたチェックが義務化されるようになりました。
これに伴って、事業者は自社でアルコール検知器を整備し、ドライバーの呼気を収集・記録管理するための体制をより強固に整えなければならなくなったのです。しかし、自社でその管理を毎日欠かさず継続し、記録を1年にわたり正確に保管するのはなかなか容易ではありません。
 
安全運転管理者の負担は大きく、仮に事業所に運転者が5人いた場合、記録のチェックから酒気帯び確認、記録の保存までの一連の作業に、一日平均56分もかかる試算が出ています。
 
酒気帯びチェックは日々欠かせないものですが、そうした負担を軽減するため今注目を集めているのが、「アルコールチェック代行サービス」です。

※「アルコールチェック代行サービス」とは、自社で行う酒気帯びのチェックやデータの管理を、代行会社に委託できるサービスのこと。日々の煩雑な業務をアウトソーシングすることで安全運転管理者の負担を減らすことができ、それにかかるコストも削減できるため、今多くの企業が導入を始めています。

今回はそんな「アルコールチェック代行サービス」の内容を解説しながら、自社で選ぶ際の比較ポイントなどもご紹介します。

アルコールチェック義務化に伴い、自社の環境整備は必須に

アルコールチェックの義務化に伴い、法令を遵守するため事業者でも体制の整備、システムの構築が求められています。どんな整備が必要か、まずは基本を確認してみましょう。

安全運転管理者を設ける

乗車定員が11人以上の自動車で1台、その他の自動車で5台以上を使用している事業所(自動車使用の本拠)では、安全運転管理者を選任する必要があります。安全運転管理者は、

・運転管理実務経験 2年以上
・公安委員会の認定を受けている

ことが資格要件であり、毎年1回、安全運転管理者等法定講習の受講も義務付けられています。安全運転管理者の主な仕事としては、運転者の適性の把握や運行計画の作成、交代運転者の措置、点呼と日常点検、安全運転の指導などがあります。これらに加えて、2022年4月の法改正により「アルコールチェック」も加わるようになりました。
出典:安全運転管理者制度|警察庁Webサイト (npa.go.jp)

安全運転管理者の業務とは

①アルコール検知器を使って数値を計測

2022年より義務化されているアルコールチェックですが、2023年12月からはアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認が必須となりました。

それに伴い、事業所ではアルコール検知器を十分に備える必要があり、乗務の前後で都度チェックする体制を整えることも求められています。ドライバーが機器を適切に使用できるよう指導しなければなりませんし、事業所によっては遠隔地からの点呼、24時間でのチェックに対応できる体制を整えることも必要になるでしょう。安全運転管理者は、検知器の適切な使用が実施されていることを定期的に確認し、保守点検も随時行うことが必要となります。

※アルコール検知器に関する疑問については、下記でも詳しくまとめられていますので、ご参照ください。
出典:警察庁Webサイト アルコール検知器を用いた酒気帯び確認等に係るQ&A

②目視確認が必須

まず、安全運転管理者は、目視等で運転者の酒気帯びの有無の確認を行わねばなりません。つまり対面、または対面に相当する方法で、各ドライバーが飲酒状態で運転することがないかをチェックする必要があります。

ドライバーの運転業務が深夜帯に及ぶ場合、直行直帰の場合など、乗務が不規則な場合は、特にこの「目視確認」が安全運転管理者の大きな業務負担となることは言うまでもありません。

③確認した記録は1年間保管

さらに、アルコール検知器で出た結果も、記録して1年間保存することが義務付けられています。運転者情報や車両情報、確認日時、確認方法など8つの項目をチェックし、記録を残す必要があります。

これらの業務負荷を軽減させるため、最近ではアルコール検知器とデータ収集を連動させた記録管理システムを導入する企業も増えています。
毎日の記録をクラウド上で一元管理し保存できれば、手作業でエクセルに入力するなどといった、安全運転管理者の業務負担も軽減でき、法令を順守した適正な運用も維持できます。

アルコールチェック導入のステップ

日々の酒気帯びチェックを定着させ、安定的な運用を

アルコールチェックに関するシステムの構築は、ある程度体制を整えても、その意識と行動が全社で定着しなければ、的確な運用の継続は望めません。下記に、チェックシステムの導入から定着までのステップと課題を一覧にまとめましたので、これを参考にしながら、自社にある課題を見極め、体制づくりに欠けているもの、補強したい部分などを明確にしてみましょう。

自社の課題が明確になったら、その部分を補っていくことが大切ですが、こうした一連のステップを安全運転管理者だけで進めていくのはなかなか容易ではありません。そんな時に強い味方になってくれるのが「アルコールチェック代行サービス」です。

煩雑な日々の業務を請け負ってくれるだけでなく、システム構築までをしっかりサポートしてくれるサービス会社を選べば、自社の体制づくりもより強固なものになるでしょう。

アルコールチェック代行サービスとは

安全運転管理者が担うアルコールチェックの業務負担は小さくありません。これらの業務を代行で請け負ってくれるのが「アルコールチェック代行サービス」です。サービス内容は代行会社によって少しずつ異なり、コールセンターが24時間365日で代行してくれるものや、時間帯別でオペレータ数を調整できるものなどさまざまなプランがあります。

サービスによっては、自社にぜひ必要なもの、あるいは不要なものなどがありますので、内容を見極めながら自社に最適なものを選ぶことが大事。うまくマッチすれば、日々の業務負担や人件コストが大きく軽減できます。

アルコールチェック代行サービス6選! 特長やメリットを比較

「アルコールチェック代行サービス」では、それぞれの会社で特長が少しずつ異なります。今回はサービスの内容を比較できる6社をピックアップしてご紹介します。

➀クリアGO

◎特長
・業界最安値が自慢。
・機種の異なる検知器や既存のシステムも連携できる。
・サービス導入から定着までの支援サポートが充実して安心。

飲酒の有無のチェックからデータ管理、コールセンター業務までを一括でまかせられる「クリアGO」。既存の検知器やシステムとも連携でき、事業所の業務形態に合わせてプランが柔軟に組み立てられます。業界最安値というのも見逃せないポイント。第三者機関による承認作業で、コンプライアンス順守もしっかりサポートしてくれます。→クリアGOオフィシャルページ

②バディネット

◎特長
・初期費用0円。1コール150円。
・1台から導入可能。
・「アルキラー」と提携。登録しておけばコールセンターから運転者へコールしてくれるので
チェック漏れの心配が少ない。

1コール150円という低価格がウリのひとつ。検知器やシステムの“しばり”がないので、自社既存の機器と連携させて導入することも可能です。リストにあらかじめ登録しておけば、コールセンターから運転者にコールしてくれるため、チェック漏れなどが起こりにくいのもポイントの一つ。朝などの立て込む時間帯も、運転者を待たせることがないため、乗務がスムーズに開始できます。

③AIコンタクト

◎特長
・コール単価59円~と低価格。
・道交法に精通したスタッフが、法令対応をサポート。

低価格を掲げるAIコンタクトは、各種費用を複数社でシェアすることで、低コストを実現。自社の導入にかかる経費をできるだけ下げたいと考えるなら、価格の面から一度チェックしてみるのもよいでしょう。交通事故鑑定会社が運営しているサービスということもあり、法令順守や道路交通法に精通しているところも心強い魅力の一つ。

④Zation

◎特長
・車両台数に応じて契約できる。
・5台4万円、10台まで6万円……と価格設定が明瞭。

運行前後のアルコールチェック、データの記録、保存といった一連の基本サービスを、車両台数に応じて契約できます。価格も明瞭で、コスト計算がしやすいのも利点といえるでしょう。業務内容によって時間外の対応などもカスタマイズできます。

⑤パーソル ワークスデザイン

◎特長
・早朝のみ、深夜のみ、土日は24時間、など要望に合わせて窓口を開設。
・サービス内容は弁護士監修で安心。

業務形態に合わせて、コールセンターの開設を自在に組み替えやすいのが魅力の一つ。従業員が増える早朝のみ活用したい、繁忙時期の土日は24時間で依頼したい、などニーズに合わせてプランが組み立てられます。サービス内容を弁護士が監修しているというのも安心材料の一つ。

⑥リンキース

◎特長
・検知器はJ-BAC(アルコール検知器協議会)認定品。
・電気化学式を採用し、アルコール以外に反応しにくく精度が高い。
・NTT ドコモビジネスのサービスというネームバリューがある。

検知器には、アルコール以外に反応しにくい電気化学式を採用。性能にすぐれているため、スピーディな飲酒チェックより正確性を重視する際に適しています。J-BAC認定品で、外部認定審査機関の審査による基準をクリア。

アルコールチェック代行サービス選びのコツ

アルコールチェック代行サービスをいざ導入しようと思っても、どう選んでいいのか分からない。そんなときに押さえておきたいポイントがいくつかあります。

Point1 自社の業務形態によって、サービス内容をカスタマイズできるか。
Point2 導入することで人件費や機材費などのコストがどのくらい削減できるか。
Point3 法令を遵守した適正な利用が可能か。
Point4 導入からシステムの定着まで、一貫したサポートが得られるか。

どんなにすぐれた代行会社であっても、提供されるサービスの内容が自社の業務形態に合っていなければ、運用はうまく進みません。所有する車の台数や従業員の数、サービスを活用したい時間帯など、アルコールチェックが必要なケースは会社によって異なりますので、サービス会社を選ぶ場合は、まず自社のカタチに最適なプランを構築してくれるか、こちらの意向を柔軟にくみ取ってくれるかが重要なポイントとなります。

その上でコストがどのくらい抑えられるかを見極める。さらにはアルコールチェックの機能が社内にしっかり定着するよう、導入後もしっかりサポートしてくれる会社を選ぶのがよいでしょう。

今回は上記6社をピックアップしましたが、なかでも「クリアGO」は、価格やシステム構築の柔軟性、社内定着までのサポートにも応えてくれる幅広いサービスが充実しています。もしも、アルコールチェックの体制づくりで気になることがあったら、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょう。

まとめ 自社に最適なアルコールチェック代行を選ぼう

アルコールチェック代行サービス」は、車両を使う事業所にとって強い味方になってくれます。法令を守るという観点だけでなく、社会の人々や大切な社員の安全を確保する上でも、導入をぜひ検討したいものといえるでしょう。
アルコールチェックの業務負担は小さくなく、その負荷が安全運転管理者だけにのしかかるのも健全とはいえません。

社員全員が健康的で安全に業務を遂行できるよう、アウトソーシングで業務を委託するのも手段の一つとして考える価値はありそうです。自社に最適なサービスを見極めて、よりよい社内環境をつくりあげてくださいね。