【2023年最新情報】白ナンバーのアルコールチェック義務化とは?罰則まで詳しく説明

アルコールチェック義務化

2022年4月施行の道路交通法の改正により安全運転管理者のアルコールチェック業務が、特定事業者(緑ナンバー)だけではなく一般業者(白ナンバー)においても義務化されました。既に運送業などの緑ナンバー車両では義務化していましたが、施行以降は白ナンバー車両も運転前後のアルコールチェックが必要になります。

白ナンバーのアルコールチェック義務化の背景は?

千葉県八街市で起きた飲酒運転事故
2021年6月28日、千葉県八街市で歩いて下校途中の児童の列にトラックが突っ込む事故が発生しました。その事故で朝陽小学校の児童2人が死亡、3人が負傷しました。事故の原因は、飲酒運転によるもの。運転手の男からは基準値を超えるアルコールが検出され、居眠り運転だったことが発覚。さらに男が日常的に飲酒運転を繰り返し、それを事業所側が容認していたことが問題視され警察庁から2022年10月から白ナンバー事業者にしてアルコール検知器の義務化を発表されました。

アルコールチェック義務化の対象

アルコールチェック義務化

下記のいずれかに該当する企業は「アルコールチェック義務化」の対象になります。

乗車定員が11名以上の自動車を所有する事業所
乗車定員に限らず白ナンバー車を5台以上所有する事業所

※オートバイは0.5台として換算
※1事業所あたりの台数で計算

白ナンバーとは一般的な自家用車のことを指し、社用車や営業車も含まれるため、車を保持する多くの企業がアルコールチェック義務化の対象となります。

アルコールチェック義務化はいつから?

アルコールチェック義務化

2022年4月から施行されている項目

 運転前後に運転者の状態を目視等で確認し、運転者の酒気帯びの有無を確認すること
 酒気帯びの有無について記録し、その記録内容を1年間保存すること

2022年10月から施行予定とされていた項目

 アルコール検知器を用いて運転手の酒気帯びの有無を確認すること
 アルコール検知器を常時有効に保持すること

アルコール検知器を使って酒気帯びを確認することになるため、直行直帰や出張の際には必ずアルコール検知器を携帯しましょう。まだアルコール検知器を導入していない・紙管理で行なっている方は確認体制を整えることをおすすめします。

2022年10月施行の延期について

警視庁は、半導体不足に伴うアルコール検知期の不足のため施行時期の検討を行い、2022年9月9日に「最近のアルコール検知器の供給状況等を踏まえ、当分の間、適用しない」と発表しました。一方で、安全運転管理者の選任義務違反に対する罰則が、5万円以下の罰金であったものが、50万円以下の罰金に引き上げられました(令和4年10月1日から施行)。

出典:「安全運転管理者制度に関する留意事項について(通達)」(警視庁)

アルコールチェック義務化に向けて準備することは?

安全運転管理者の選任

乗車定員11人以上の自動車を1台以上、またはトラックを含むその他の自動車を5台以上保有する場合、事業所ごとに安全運転管理者を1名を選任しなくてはならないと定められています。選任後は15日以内に事業所の管轄の警察署へ届出を提出することで選任されます。その後、年一回実施されている安全運転管理者等講習を受講する必要があります。
また、事業所で20台以上車両を保有する場合は副安全運転管理者の選任も必要になりますのでご注意ください。

アルコール検知器の準備

アルコール検知器の使用義務化は2023年6月ではないかと言われています。施行予定日の発表に合わせて再び検知器不足になってしまうことが予想されますので、早めに確保しておきましょう。

安全運転管理者のアルコールチェック業務

では具体的に、安全運転管理者がどのようにアルコールチェックを実施し、管理する必要があるのか、詳しく見ていきましょう。

運転者が酒気を帯びていないかの確認

■アルコールチェックのタイミング
運転前後に実施します。必ずしも運転の直前または直後に行わなければならないわけではなく、運転を含む業務の開始前や出勤時、及び退勤時に行うことで足ります

■目視等で確認する項目
原則として、運転者の顔色や呼気の臭い、応答の声の調子等を安全運転管理者が対面で確認しなければいけません。

■直行直帰時の対応
直行直帰・遠方など、安全運転管理者による対面での確認が困難な場合は、対面に準じた方法で実施することができます。

直行直帰の運転者が携帯型アルコール検知器を所持している前提で
例1)カメラ・モニター等などを通しリアルタイムで安全運転管理者が運転者の顔色・応答の声の調子等とともに検知器を使用し結果を確認する
例2)携帯電話等の通信機を使いリアルタイムで、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認し、検知器を使用し測定結果を報告させる
※メールやFAX等の対面ができない方法は対面に準じた方法に該当しないので注意してください

「安全運転管理者の不在時など、安全運転管理者による確認が困難な場合には、副安全運転管理者または安全運転管理者の業務を補助するものに酒気帯び運転の確認をさせることは問題ない」ともされているので安全運転管理者以外の確認でも問題ありません。また出張先等で、レンタカーを運転し業務をする場合などもアルコールチェック義務化の対象になります。

酒気帯び確認の記録と保管

アルコールチェック義務化に対応するにはアルコールチェック行ったうえで、必要な項目を記録し保管しなければいけません。

■記録が必要な8つの項目
①確認者名
②運転者名
③運転者の業務に係る自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
④確認の日時
⑤確認の方法
・アルコール検知器の使用の有無(2022年10月1日よりアルコール検知器を使用する事が義務化)
・対面でない場合はカメラ・モニター、またはスマートフォンや携帯電話などを使用
⑥酒気帯びの有無
⑦指示事項
⑧その他必要な事項

■記録の保管
必要な項目を記入した上で1年間保存しておかなければなりません。保存管理は紙の他にデータでの保存も認められています。特に、運転者の多い企業はクラウド管理型のアプリなどを利用して管理方法の簡易化・効率化を検討してみましょう。

アルコールチェックを怠った場合の罰則は?

飲酒運転事故の発生かつアルコールチェックを法定通り行っていなかった場合は7日間の事業停止の罰則、安全運転者管理者等の選任をしていなかった場合は50万円以下の罰金が課せられる可能性があります。その他にも、事故を起こしてしまったことにより社会的信用を失い事業継続に支障をきたす場合もあります。企業の責任として、安全運転管理者の指導のもと、徹底した運行管理を行わなければいけません。

飲酒運転をおこなった場合の罰則は?

【運転者】

酒酔い運転 (まっすぐに歩けない、受け答えがおかしいなど客観的に見て酔っている状態)
刑事処分:5年以下の懲役または100万円以下の罰金
行政処分:違反点数:35点、免許取消し(欠格期間3年)

・酒気帯び運転(0.25mg以上)
刑事処分:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
行政処分:違反点数25点、免許取消し(欠格期間2年)

・酒気帯び運転(0,15mg以上0.25mg未満)
刑事処分:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
行政処分:違反点数13点、免許停止(期間90日)

【【車両提供者】
・ 運転者が酒酔い運転・・・5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
・運転者が酒気帯び運転・・・3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
【【酒類の提供・車両の同乗者】
・運転者が酒酔い運転・・・3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
・運転者が酒気帯び運転・・・2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

まとめ

アルコールチェック義務化の対応のために必要なこと
1.安全運転管理者の選任
2.アルコール検知器を用いた酒気帯び確認
3.酒気帯びの有無について記録
4.記録内容の1年間保存
万が一、従業員が業務中の交通事故を起こしてしまうと、企業は経営者責任刑事や民事裁判などで、多くの罰則を受けることになります。そうならないように、アルコールチェックを実施して運転者に対して飲酒運転の危険性の周知・安全運転教育をするようにしましょう。

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